2019年2月25日月曜日

戸隠の西岳P1尾根を登った

日程:2月8~11日
山域:長野県 戸隠連峰
参加者:筆者(L)、ウノ、サカイ


この計画は、西岳P1尾根、本院岳ダイレクト尾根、西岳P3尾根の継続登攀を試みたものである。

~~~

2/8 移動

京都からバスで長野へ。バス停から私の実家へ。北海道に史上最強クラスの寒波が襲来するとの報をうけ、その影響が戸隠にどのように及ぼされるのかを議論する。場所は長野県の筆者の実家である。暖房が効いており、ふかふかの布団が敷いてある。筆者たち三人は銭湯から上がってきたばかりでホカホカであった。
ウノ「寒いことにより気力が削られることが懸念される。明日以降は天気が安定しそうだし、明日は須見の家で体力を温存するべきだ。」
サカイ「異議なし。」
筆者「それでいいと思います。」
今考えると実家のあまりの快適さに少々判断力が鈍っていたとも思わなくもない。


~~~

2/9 チン 

全員荷物があまりにも重すぎると感じていたことが発覚し、装備を今一度確認。コンロ台を5平方㎝にカットするなど軽量化を推し進めた。
あとはだらだらと過ごした。


~~~

2/10 6:35上楠川の橋~12:35熊の遊び場手前 曇り時々雪


筆者の父親が登山開始地点である上楠川の橋まで車で送ってくれた。雪がちらつく中、わかんを着けて歩き出す。事前の情報どおり積雪は少ない。わかんが必要ないくらいである。林道終点からは川沿いに適当に進んでいく。途中渡渉を34回強いられた。

(スーパージャンピング渡渉も一か所出てきた)


上楠川右俣に少し侵入したところから直上していくと、30分ほどで天狗平に着いた。ここに荷物をデポして先へ進む。ここから先はトレースがしっかりついていたため、時々思い出したように地図を確認する以外は特に何も考えずトレースを辿る。思考を捨てて歩いていると、3人のおじさまパーティとすれ違う。天気が微妙で先行者が遅いからP1完登を諦めて降りてきたとのこと。少々不安になる。アイゼンを装着。
熊の遊び場(露岩と雪壁の実質的なP1尾根の登攀開始地点)の手前に着く。熊の遊び場は岩が所々露出しており氷瀑が垂れ下がっている。先行の3人パーティが既に熊の遊び場の1ピッチ目に取り付いていた。
翌日にP1尾根を登れる目途も立ったので熊の遊び場基部で幕営することにする。

17:00頃にもテントの脇を下降してきたパーティが通過し、P1尾根の人気具合にやや辟易してくる。
サカイさんの放尿回数が異常に多いため詳しく聞いてみると、生来膀胱の調節がうまくできないらしく、直近の失禁が2.3年前であることが分かった。


(幕営地からダイレクト尾根を望む)

~~~

2/11 6:30熊の遊び場手前~8:20無念の峰~9:59P1~11:51熊の遊び場手前
   ~14:32ダイレクト尾根末端 曇り時々雪


幕営装備をデポし、登攀開始。
1
ピッチ目は私がリード。草付きのクーロワールを抜け、熊の遊び場へ侵入していく。60mロープであれば気持ちよく灌木にビレイ点を作ることができたのだが、50mだと微妙に足りない。仕方なくスノーバーでピッチを切る。
(こう見るともう10mで灌木まで行けたか怪しいな)


2ピッチ目はウノさんがリード。出始めがアイス交じりの草付き&岩登りのMIXで少々悪いが、あとは簡単な雪壁を詰めて終了点に到着。
2
ピッチ目以降はロープを出さずに歩きとダブルアックスを交えて雪壁を登っていくと無念の峰(熊の遊び場の終了点)に出た。

無念の峰通過した後、すぐに蟻の塔渡り(両側が切れ落ちているやせた雪稜)が出現。4mほどの嫌らしいギャップを土嚢懸垂でごまかして、蟻の塔渡りに取り付く。トレースがついていて、雪も安定しているためロープは出さない。トレースがなかったらロープが必要だっただろう。
(蟻の塔渡り)



蟻の塔渡り通過後、無雪期は鎖場のセクションが二箇所出てきて、スタカットで通過。

一箇所目は酒井さんがリード。少し傾斜があったが乗越しに灌木があるため苦労しない。


(ぼちぼちな感じ)


二箇所目は筆者がリード。シンプルな雪壁登攀。全員通過後ロープをしまう。
後はトレースを辿って、P1頂上。GPSP1頂上にいることを確認し、記念撮影。
                (やったー!)

下降は同ルート。

登りでロープを出したセクションは懸垂下降し、他はクライムダウン等で下降。

(懸垂下降)


蟻の塔渡り手前の土嚢懸垂ポイントの登り返しが地味に面倒くさかった。落ちたら止まらなそうだったのでロープを出した。

            (登り返し、左側が切れ落ちている)

          (最後の懸垂下降、景色、きれいじゃん)

熊の遊び場を下りきって、一安心。

           (幕営地から熊の遊び場を振り返る)

デポ品を回収して、とっとと下る。

天狗平のデポ地で食糧を補給し、本院岳ダイレクト尾根の末端に移動。幕営。

~~~

登れたことは素直に嬉しかったが、西岳P1尾根ではトレースの恩恵にあずかってしまい、不完全燃焼だった。

モノ足りないよ。トホホ。














2019年2月5日火曜日

野谷荘司山で山スキー

日時:2019年2月1日~2日
参加者:筆者・ムクルマ・オカザキ・イシヅカ(L)
山域:野谷荘司山
ヤマレコ:https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1720247.html

人生2度目の山スキー。
先行者のトレースのお陰でサクサク進む。
快適な登高。

途中すれ違った単独テレマーカーさんの佇まいがとてもイカしていた。

1601JPまで登高するも視界が20~30m。

ピークハントは諦めて滑降する。

ふかふかで気持ちいい滑降である。

一本松(なんか広くて平らなところ)まで下る。2回軽くこけたくらい。今回は10回以内に抑えられるのでは、という淡い期待を持つ。

一本松ではムクルマパイセンからピットチェックの指導を賜る。
パイセンは山スキーのことならなんでもおまかせアレの凄い方なのだ。
時々師匠と呼ばせていただいている。

一本松からは、ちょっと尾根沿いに滑降して、最後は谷を滑降。
谷の雪は気持ちよかったなあ。

まあ、結果としては10回以上こけてしまったのだけれど。
タハハ…。

・滑降は崖から落ちるつもりでまっすぐくだり始める。
・ターンは緩いカーブを意識する。怖がって180度折り返しターンをしているようではパイセンのようにヌルヌル滑降することはできない。
・後ろ体重=転倒。

運転免許は持っていない、滑降は下手、車内では寝てばっかの僕を連れて行ってくれる会の方々には感謝である。

下山後の白川郷の温泉と五平餅は格別であった。

                  (1601JP直下)

  (視界が悪い)

                (トラヴァース)

                   (一休み)

                 (師匠のピットテスト)


(滑降)



堂満ルンゼで登攀

日時:2019年1月31日
参加者:筆者・サカイ・ウノ(L)・カワジリ
山域:比良山系 堂満岳

二月に控える戸隠の登攀、三月の北海道での登攀のアップ山行として、堂満ルンゼ中央稜へ行ってきた。

雪は少なめ。

筆者・サカイさんペアで登攀。サカイさんと山へ行くのは初めてであった。自分をさりげなく大きく見せようという悪癖がチョロチョロと舌を覗かせる。我ながら醜い性である。

特に問題もなく2ピッチ終え、ウノさんパーティーを待つ。

合流し、頂上へ。1時間ほど登ってピーク。意外と長い。

ウノさんがOBさんから授かったらしい新型腕時計GPS端末を自慢してくる。
「こいつにかかればイッパツで現在地と方角がわかっちゃうってワケ。」

下降し始めて40分。地形図と地形が一致していないとうすうすみんな気付いていた。
だが、同時に歩き続けていることで思考が鈍っており、歩き続けていればいつか約束の地へたどり着けるという妄想に似たなにかを抱いていた。

1時間経って堰堤が大量に出てくる。まだ、イケる。

堰堤を6.7つ程乗り越えたころ、流石にイケなくなった。
「ここは上ノ廊下ですか。」

長大なその谷は、本来下降するはずの谷を尾根を一つ隔てて南の方角にある深谷という谷であった。

おいおいおい。

やれやれ。

・休憩取って頭を冷やす時間を設けるべきだった。
・一人の意見に流されすぎ。
・地形図の確認怠りすぎ。
・違和感感じたら隊員ですぐに共有するべき。

何年山岳部やってるんだ。

車に戻ってきたときにはみんな雨でグショグショになったのであった。
心身グショグショなのであった。






            (筆者パーティーは2ピッチ目から登攀)


(10個くらい堰堤超えた気がする)